自己破産できる条件と免責不許可事由|免責が認められないケースと対処法
更新日:2026年5月
はじめに
自己破産は「誰でも借金をゼロにできる」制度ではありません。免責が認められるためにはいくつかの条件があり、「免責不許可事由」に該当する場合は、免責が認められないことがあります。
本記事では、自己破産できる条件と、免責が認められないケース・対処法を詳しく解説します。
自己破産が認められる条件
自己破産の申立てが認められるためには、以下の条件が必要です。
1. 支払い不能の状態であること
支払い不能とは、「借金の返済ができない状態が続いており、近い将来も返済の見込みがない」という状態です。一時的な資金不足ではなく、継続的・恒常的に返済できない状態でなければなりません。
2. 個人であること
自己破産の手続きは個人(自然人)を対象とした手続きです。法人の場合は法人破産の手続きになります。
3. 日本に住所・財産・事業所があること
日本の裁判所に申立てを行うためには、日本国内に住所などがあることが必要です。
免責不許可事由とは
免責不許可事由とは、免責(借金の返済義務の免除)が認められない原因のことです。破産法第252条に定められており、以下のような行為が該当します。
主な免責不許可事由
| 不許可事由 | 具体例 |
|---|---|
| 財産隠匿 | 資産を隠したり、第三者に移転する行為 |
| 詐欺的借り入れ | 返済の意思なく、虚偽の申告で借り入れる行為 |
| 偏頗弁済(へんぱべんさい) | 特定の債権者だけに優先して返済する行為 |
| ギャンブル・浪費 | 過度なギャンブル・射倖行為・浪費による借金 |
| 帳簿・書類の偽造・隠滅 | 財産に関する書類を偽造・隠す行為 |
| 虚偽の説明 | 裁判所や破産管財人に対して嘘をつく行為 |
| 過去7年以内の免責 | 7年以内に別の免責許可を受けている場合 |
ギャンブル・浪費が原因でも免責される場合がある
免責不許可事由にギャンブルや浪費が含まれていますが、必ずしも免責が認められないわけではありません。
裁判所は「裁量免責」という権限を持っており、免責不許可事由があっても、総合的な事情を考慮して免責を認めることができます。多くのケースでは、ギャンブルが原因であっても、誠実に手続きを進めることで免責が認められています。
裁量免責で重視されるポイント
- 真摯に手続きを進めているか
- 浪費・ギャンブルを改めているか
- 財産や収支を正直に申告しているか
- 債権者に対して誠実な態度をとっているか
免責が認められにくいケース
以下のケースでは免責が認められにくい、または取り消される場合があります。
- 申立て直前に財産を隠したり、特定の人に贈与した
- 申立て直前に意図的に借金を増やした(クレジットカードで高額商品を購入するなど)
- 管財人や裁判所の調査に協力しない
- 過去7年以内に免責を受けている(免責の記録が残っている)
免責不許可の場合の選択肢
免責が認められなかった場合でも、以下の選択肢があります。
抗告(不服申立て)
免責不許可の決定に不服がある場合、2週間以内に高等裁判所に即時抗告を行うことができます。
個人再生を選択する
自己破産の免責が認められない場合でも、個人再生であれば借金を大幅に圧縮することが可能です。個人再生には免責不許可事由のような制度はないため、ギャンブルや浪費が原因でも利用できます。
免責確定後に注意すること
免責が確定しても、以下の債務は免除されません。
- 税金・社会保険料
- 養育費・婚姻費用
- 損害賠償(悪意・故意による)
- 罰金・科料
- 悪意による不法行為に基づく損害賠償
まとめ
- 自己破産が認められるには「支払い不能の状態」であることが必要
- 免責不許可事由(財産隠匿・詐欺借り入れ・ギャンブル等)がある場合、免責が認められないことがある
- ギャンブル・浪費が原因でも、誠実に手続きを進めれば「裁量免責」が認められることが多い
- 免責が認められなくても、個人再生で借金を圧縮する選択肢がある
- 税金・養育費などは免責されない
自己破産・免責の可否は個々の状況によって異なります。弁護士への早期相談で自分の状況を正確に判断してもらいましょう。