個人再生とは?仕組み・対象・メリットデメリットを詳しく解説
更新日:2026年5月
はじめに
「個人再生」という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのような手続きなのかわからない方も多いでしょう。個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、残額を3〜5年で分割返済する法的手続きです。
本記事では、個人再生の仕組み・対象・メリットデメリットをわかりやすく解説します。
個人再生とは
個人再生(こじんさいせい)とは、裁判所に申立てを行い、借金の総額を大幅に減額してもらい、残りの金額を原則3〜5年間で分割返済する法的手続きです。
法律的には「民事再生法」に基づく手続きで、給与収入があるサラリーマンや個人事業主などが利用できます。
任意整理・自己破産との違い
| 比較項目 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
|---|---|---|---|
| 手続き | 裁判所を通さない | 裁判所を通す | 裁判所を通す |
| 借金の減額 | 利息カット程度 | 最大5分の1に圧縮 | 全額免除 |
| 財産の処分 | なし | 基本なし(清算価値基準あり) | 一定以上の財産は処分 |
| 家・車 | 守れる(ローン対象外なら) | 家を守れる(特則あり) | 原則処分 |
| 信用情報 | 5〜10年登録 | 5〜10年登録 | 5〜10年登録 |
個人再生の2つの種類
1. 給与所得者等再生
安定した給与収入(給与・年金など)がある人が対象。裁判所が計画案を決定します。
2. 小規模個人再生
継続的な収入があれば、給与以外の収入(個人事業主など)も対象。債権者の同意が一定程度必要です。
個人再生の最低弁済額(借金の圧縮率)
個人再生では、借金を以下の「最低弁済基準額」まで減額することができます。
| 借金の総額 | 最低弁済額の目安 |
|---|---|
| 100万円未満 | 全額(減額なし) |
| 100万〜500万円 | 100万円 |
| 500万〜1,500万円 | 借金総額の5分の1 |
| 1,500万〜3,000万円 | 300万円 |
| 3,000万〜5,000万円 | 借金総額の10分の1 |
ただし、清算価値(財産の合計)がこれを上回る場合は、清算価値が最低弁済額になります。
個人再生のメリット
- 借金を最大5分の1まで大幅に圧縮できる
- 自己破産と異なり、財産の多くを手元に残せる
- 住宅ローン特則を利用すれば家を守りながら借金を整理できる
- 職業制限がない(自己破産とは異なる)
- ギャンブルや浪費が原因でも利用できる場合がある
個人再生のデメリット
- 裁判所を通す手続きのため、費用と時間がかかる(数十万円・数ヶ月〜1年以上)
- 信用情報に事故情報が5〜10年間登録される
- 継続的な収入が必要(収入がない人は利用できない)
- 保証人への請求が発生する
- 手続き中・返済中は一定の生活制限がある
個人再生の対象となる借金
| 対象になる借金 | 対象にならない借金 |
|---|---|
| 消費者金融・カードローン | 税金・社会保険料 |
| クレジットカードの残高 | 養育費・婚姻費用 |
| 銀行ローン | 損害賠償(悪意による) |
| 住宅ローン(特則で継続返済) | 罰金・科料 |
税金や養育費などは個人再生でも免除・減額されません。
個人再生が向いている人
- 借金の総額が大きく(500万円以上)、任意整理では対応が難しい
- 継続した収入(給与など)がある
- 自己破産はしたくないが、借金をできる限り減額したい
- 住宅ローン中の家を守りたい
まとめ
- 個人再生は裁判所を通じて借金を最大5分の1に圧縮し、3〜5年で返済する手続き
- 任意整理より大幅な減額が可能だが、費用と手間がかかる
- 継続的な収入がある人が対象
- 住宅ローン特則を使えば家を守れる大きなメリットがある
- 向いているかどうかは借金の総額・収入・財産状況によって異なる
個人再生が自分に合うかどうかは、弁護士や司法書士に相談して判断することが重要です。