任意整理後の住宅ローンへの影響|持ち家・ローン中の家はどうなる?

更新日:2026年5月


はじめに

「任意整理をしたら家を失うのか」「今の住宅ローンはどうなるのか」——これは任意整理を検討する多くの方が抱える不安です。結論からお伝えすると、任意整理では原則として家を失うことはありません。しかし、住宅ローンの取り扱いや将来への影響については正確に理解しておく必要があります。

本記事では、任意整理と住宅ローン・持ち家の関係を詳しく解説します。


任意整理と自己破産・個人再生の違い(家への影響)

まず大前提として、債務整理の種類によって家への影響は大きく異なります

債務整理の種類家への影響
任意整理住宅ローンを整理対象から外せば家は守れる
個人再生住宅ローン特則を使えば家を守れる場合がある
自己破産原則として家を手放すことになる

任意整理は「整理する債権者を自分で選べる」という特徴があります。住宅ローンを整理対象から外すことで、家を手放さずに他の借金だけを整理できるのです。


住宅ローン中の家を守るには

住宅ローンを整理対象から外す

任意整理では、住宅ローン(銀行・フラット35など)を整理対象から外し、引き続き通常通り支払い続けることが可能です。

この場合、住宅ローン以外の借金(カードローン・消費者金融など)を任意整理で減額・整理することで、毎月の返済負担を軽くしつつ、家を守ることができます。

注意:住宅ローンを滞納している場合

すでに住宅ローンを滞納している場合は注意が必要です。住宅ローンの滞納が続くと、銀行は期限の利益の喪失(残額一括請求)→競売という手続きに進む場合があります。

この場合、任意整理だけでは対応しきれず、個人再生の住宅ローン特則を利用する方が有効なケースがあります。


任意整理が完済後、住宅ローンの新規借り入れはできるか

任意整理後に信用情報機関に事故情報が登録されている間は、新規の住宅ローンを組むことは原則できません

時期住宅ローンの状況
任意整理中〜完済まで新規住宅ローンは不可
完済後5年(CIC・JICC)一部金融機関での審査が通り始める可能性
完済後10年(KSC)銀行系住宅ローンの審査が通る可能性

住宅ローンは特に審査が厳しく、事故情報が抹消されてもすぐに審査が通るとは限りません。審査では過去10年程度の信用情報が参照されることもあります。


任意整理中に家を買うことはできるか

任意整理中・完済前は、住宅ローンの新規審査には通りません。家の購入を検討している方は、完済・信用情報の回復後に改めて計画を立てることが現実的です。


持ち家があっても任意整理できるか

持ち家がある方でも任意整理は可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 住宅ローンが残っている場合:住宅ローンを整理対象から外し、通常通り支払い続ける必要がある
  • 住宅ローンを完済している場合:持ち家(不動産)は任意整理の影響を受けない(差押えの対象にはならない)
  • オーバーローン(ローン残高 > 家の価値)の場合:任意整理では家を残せる可能性が高い

自己破産と異なり、任意整理は財産を処分する手続きではないため、基本的に家を手放す必要はありません


住宅ローンを抱えたまま他の借金が増えた場合の対処法

住宅ローン以外の借金が増えてしまった場合の対処法を整理します。

  1. 任意整理:住宅ローン以外の借金を整理対象にして、生活負担を軽くする
  2. 個人再生(住宅ローン特則):借金全体を大幅に圧縮しながら住宅ローンは継続して家を守る
  3. 任意売却:競売を避けながら家を売却し、残債の整理を図る(家は手放すが傷が浅い)

どの選択肢が最善かは、借金の総額・住宅ローンの残高・収入などによって異なります。必ず弁護士や司法書士に相談して判断しましょう。


まとめ

  • 任意整理では、住宅ローンを整理対象から外すことで持ち家を守ることができる
  • 住宅ローンを滞納している場合は個人再生の住宅ローン特則の利用が有効なこともある
  • 任意整理中〜完済後10年程度は、新規の住宅ローンを組むことが難しい
  • 持ち家があっても任意整理は可能(自己破産とは異なる)

住宅ローンや持ち家に関する判断は非常に重要です。状況に応じた最善策を選ぶために、早めに弁護士や司法書士に相談することを強くおすすめします。